冷え性

西洋医学では、冷え性を不定愁訴とし病気として扱わないので、治療薬は存在しません。冷え性に悩んでいる場合は、西洋医学と東洋医学、両方を学んでいるお医者さんのほうへ行くほうがよいと思います。

東洋医学では『冷えは万病のもと』と言われています。
東洋医学では、身体が冷えて血の巡りが悪くなると『冷え性』。身体の中の水分代謝機能が低下すると『むくみ』。ストレスが溜まり過ぎると『気力』が低下すると考えられています。これらを《気・血・水》に分けて、この三つのバランスを整えると身体が健康になるとも考えられています。
身体が冷えて血の巡りが悪いということは、身体の水分代謝も悪いということであり、気持ちにも活気がなくて心まで冷えているということになります。
やはり「たかが冷え」などと軽く考えずに、体の中に冷えが溜まり過ぎる前に解消しなくてはいけません。

冷え性の東洋医学的考え方

①陽気不足・・・気力・元気・気分がよいとか、『気』というのは人間のエネルギーの状態を指していると考えられます。陽気とは体を温める働きのある『気』の事です。 この体を温める『気』が不足すると、熱を生み出す力が弱まり、寒さに対しての抵抗力が減るので、体が冷えやすくなります。身体的特徴として、エネルギー不足ですから、全体に色白で弱々しい印象だったり、疲れやすいなどの特徴があります。

②瘀血(おけつ)・・・最近テレビなどでもドロドロ血という言葉がよく使われるようになりましたが、東洋医学では既に数千年前から、血の汚れやドロドロ状態のことが知られていました。『血』がドロドロ、ネバネバの状態になって血液による栄養の補給や、老廃物の排出が滞っている状態瘀血といいます。手足の先の細い血管に血が流れにくくなるので冷えを感じます。

③血虚(けっきょ)・・・体に栄養分を運ぶ血が不足し、ちょうど貧血の様になり冷えを感じます。末端の血管に血が届かない状態です。体が痩せてきたり、顔色も悪くなります。

④水毒・・・冷たい飲み物の取りすぎ、水分代謝の異常や、胃腸機能の低下によるもので、。水分過多によって体が冷える状態です。お腹にポチャポチャ音がする場合があります。いわゆる水太りという体型です。

⑤気逆・・・血や気の流れが悪くなることで、顔や上半身はのぼせたり、ほてったりするのに、下半身が冷えている状態になります。更年期時期にはホットフラッシュと呼ばれ、急に汗をかいたりのぼせたりという症状が顕著になります。さらに重い場合は、逆に手足が熱く感じる場合もあります。

 

冷え性の予防

①薄手の腹巻を1年中つけましょう
冬期は、おへその下あたり(臍下丹田)に下着の上からカイロを貼って、腹巻をつける。夏期でも、クーラーや冷たい飲み物などで冷えが出ますので薄手の腹巻を付けた方がよいです。内臓は冷えがあるところが、機能が悪くなるので温めることは大切です。
 

②生姜をとりましょう
生姜を毎日とることにより、血管を拡張して血流をよくして体温を上げてくれます。また、免疫力増加にもつながります。
 

③足湯
くるぶしの辺りまでタライにお湯をためて、10~15分ほど温めます。この時、首にタオルをマフラーのように巻いておくとより身体が温まります。

④冷たいものを摂り過ぎない
いまでは冬でもアイスクリームを販売しているように、冷たいものを摂取する機会が昔に比べると格段に多くなっています。これも内臓を冷やすのでよくありません。出来るだけ常温のものを摂ったほうがよいです。おおげさに言えば、夏でも風呂上りには常温のビールを飲むくらい気を付けて頂くと内臓の冷えはかなり違ってきます。